第二章 愛された子 3

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   三


「あなた、何者なんですか」
 すわった目で、不信感を露わにして、ショコラは短く問いを口にした。閉店だということで店を追い出され、宿へと向かう道中、スピラーリからある程度の事情を説明されたあとのことだった。
 説明といっても、フェーヴとは古くからの知り合いであるということ、今後は行動をともにするということ──ほとんどその二点だけだ。それでは納得できるはずもないのだろう。
 月にはぼんやりともやがかかり、いまにも雲間に隠れそうだったが、柔らかな光はそれでもあたりを照らしていた。顔を覗かせる星もわずかだ。しかしフェーヴには、その危うさがありがたかった。表情を見られずにすむのなら、その方がいい。
「ちゃんと説明したじゃないか、ほかになにが知りたいのかな。僕がいることは、君にとってもプラスになるはずだよ、ショコラ君」
 ショコラと並ぶと、スピラーリの身長は頭一つ分以上は優に高く、うしろからついて歩くフェーヴからはずいぶんとアンバランスに見えた。スピラーリは背中を折るようにして、ショコラの顔を見ている。興味があるというのは本当のようだ。
「ショコラ君っていうの、やめてください。不快です」
「じゃあ、ショコラちゃんでいい?」
 にやけた笑いで即座にそう切り返すスピラーリに、ショコラはあからさまに眉根を寄せた。幾分か悩んだのち、声を絞り出す。
「まだ、君の方がましでした」
 どっちでもいいだろうよ、とフェーヴは思う。呼び方に頓着するということは、ショコラはこの男の存在を認めているということなのだろうか。それならそれで、二人で仲良くやってもらって、自分はさっさと離脱してしまいたかった。
「それはそうと、フェーヴ=ヴィーヴィル、どうしてわたしを置いていきましたか。あなたに愛の告白を二度もしているのに、どうして、そんな心ないことができます?」
 ぐるりとこちらに顔を向けて、真剣な声でショコラがいった。フェーヴは返答に窮する。明確な答えならあるのだが、口にしてしまうのはさすがに少々ためらわれた。
「だから逃げた、という発想はねえのかよ」
 しかし結局、正直に告げた。ショコラが衝撃を受け、目を見開く。
「その発想はありませんでした……!」
「バカなのか」
 心底呆れた。まさか、自分が好かれているとでも思っていたのだろうか。
「ほらほら、あんなお子さまは忘れてさ、僕に乗り換えてごらんよ。いろいろ教えてあげるよー」
 スピラーリはまずお近づきになりたくないような笑顔で、そんなことをいっている。こいつの考えていることは本当にわからない──フェーヴは目を背けた。わかりたくもなかったが。なにもかもがバカバカしい。
「いろいろって、なにを教えてくれますか? わたしにとって有益な情報があるなら、考えます」
 まったく迷った素振りもなく、ショコラがさらりと受け入れる。フェーヴは目を見開いて、前をいくショコラの横顔を凝視した。ある意味で予想通り、しかしあまりにももの知らずな反応だ。 
「おい、見るからに胡散臭えだろ、こいつ。なんでノる必要があるよ」
 思わず、そんなことをいってしまう。ショコラはきょとんとして、小首をかしげた。
「でも、あなたのお友だちなんでしょう?」
「バカか」
 どこをどう見たら友だちということになるのか。やはり、彼女には空気を読むという能力が決定的に欠落しているらしい。
「うーん、そういわれちゃうと、僕も俄然張り切っちゃうけど。二人きりじゃないとなあ」
「わかりました、では宿の部屋をとってから、ということでいいですね」
 フェーヴは頭を抱えた。もうだめだ。なにもわかっていない。箱入りだとは思っていたが、まさかここまでとは。
 しかし、考えてみれば、フェーヴが彼女のことを心配するのもおかしな話だった。人として、という部分はあるものの、個人的な感情でいえば、ショコラとスピラーリがどうなろうと知ったことではない。むしろ、その隙に逃げられるかもしれない。
「僕たちを仲良くさせといて、自分は逃げるとか考えても無駄だよ、フェーヴ君」
 甘い考えは、あっさりと打ち砕かれた。いつのまに隣に来ていたのか、スピラーリは勝ち誇ったように目を細めている。
「なにもいってないだろうがよ」
「顔に出るんだよ、君は。どれだけの付き合いだと思ってるんだい」
 それこそ考えたくもない。付き合いたくて付き合っているわけでもなかった。どう答えても揚げ足を取られるようで、フェーヴは黙って鼻を鳴らす。
 そのうちに、宿にたどり着いた。町についてすぐに、フェーヴが部屋をとった宿だ。どう見ても土地の余っていそうな村なのに、宿は縦に細長く、一階にはカウンターのみ、二階と三階が客室という構造だった。この村には、宿はここともう一件しかないらしい。
「……で、どうしてあんたらもここにいるんだ。宿、ここなのか?」
 このままではどこまでも付いてきそうだったので、そう聞いてみる。口にしてから無駄な質問だったと気づいたが、このまま流されて一緒にいるのはごめんだった。同じタイミングで、スピラーリとショコラはうなずいた。
「お金持ってないしね。君と同じ部屋でよろしく」
「わたしはいまから部屋を取る気満々です」
「…………」
 やはり、離れてくれる気はないらしい。
 フェーヴは、彼らにもの申す自分を想像してみた。いうだけなら簡単だ。しかし、本当の意味で勝てる気はしない。
「スピラーリが一緒に来るってのは、わかった。わかってないけど、わかった。あんたはどういうつもりだ、ショコラ」
「わっ、名前呼びました? 初? 初ですか?」
 金の髪を犬の尾のように揺らして、ショコラが目を輝かせる。フェーヴは目を閉じて、細く長く息を吐き出した。怒りや、その他もろもろの感情を押し殺すように。苛立ちを通り越して、やるせない気分だ。ひどく疲れる。
「もちろん、俄然つきまといますよ!」
 まったく悪いと思っていないのだろう、胸すら張ってそう宣言される。どうしたものか。どうしようもないのだろうか。
「フェーヴ君の部屋に三人っていうのは、大変かな。もう一部屋とれるなら、僕とショコラ君はそっちでいいんだけど」
 そんなことをつぶやきながら、スピラーリが宿の戸を開けた。取り付けられた鈴が静かに鳴る。カウンターのある一階はすでに灯りが落とされ、しんとしていた。
「あれー、職務放棄?」
 だれもいないことは、一目瞭然だった。あまり綺麗とはいいがたい木製のカウンターには、メモの類すら置いていない。他の客もいるのかいないのか、静けさに包まれている。鈴が鳴ったというのに、だれかが駆けつける様子もなかった。
 困りましたね、などと真剣にうめくショコラの声を聞き流して、フェーヴはさっさと階段を上り始めた。部屋のカギなら、もう受け取っている。自分はこのまま部屋へ行き、朝まで寝ればいいだけだ。
「ちょっとちょっと、フェーヴ君。それはひどいでしょう。心の通じ合った友人と、可憐な少女を置いていくなんて」
「……笑えねえし、つっこむ気にもならねえな。勝手にすればいいだろ」
 一緒にいるのが、「友人」と「可憐な少女」ならまだしも、どちらともほど遠い二人だ。心からの意見だったのだが、スピラーリはいかにも悲しそうに瞳を伏せた。
「僕が、どれだけの決意で君といるとも知らないで……涙が出るよ……!」
 その様子に、ショコラが過敏に反応する。
「まあ! 泣かせるとは何事ですか、フェーヴ=ヴィーヴィル!」
「スピラーリはともかくさ、あんたのそれは本気なのかよ」
 疲れる。これほど疲れる一日がかつてあっただろうか。普段使わない部分をふんだんに使わされ、得体の知れない疲労にフェーヴは頭痛を感じた。もう寝てしまいたい。
 そんなやり取りが聞こえたわけでもないだろうが、不意に、彼らの背後で戸が開いた。入ってきたのは、フェーヴに部屋のカギを渡した人物だった。この宿の経営者の一人娘だ。
「すみません、隣に戻っていて……。ええと、お客様ですか?」
 寝間着の上に外套という姿で、娘は慌てて手にしたランプを壁にかけると、カウンターに入った。これほど遅くなっては、もう客が来るとも思っていなかったのだろう。そもそも、この村には旅人が来ること自体が希で、宿よりも隣接している商店の経営が主なのだといっていた。迷惑な客もいたものだと、完全に他人事としてフェーヴは思う。
「まだ部屋はあるかな? できれば、一部屋借りたいんだけど」
 カウンターに身を乗り出し、必要以上に顔を近づけて、スピラーリがいう。娘はそばかすの浮かぶ頬を朱に染めて、遠慮がちに身を引いた。
「え、ええ、もちろん、空いています」
「二部屋だろ」
 仕方なく、フェーヴは階段を下りた。カウンターに、二部屋分の金銭を置く。スピラーリが金を持っていないのは知っていたし、彼の分だけ払って、ショコラを無視するのはさすがに気が引けたのだ。
「え、払います、払いますよ!」
 ショコラが慌てて鞄を探るが、フェーヴは手で制した。面倒だ。
「二部屋ですね、かしこまりました。では、カギをお渡しします。ええと、うちは、食事をお出しする形式ではないのですが……」
「だいじょうぶ、気にしないで」
 先ほどの嘘泣きはどこへ行ったのか、スピラーリはわざわざ娘の手を握りしめて、カギを受け取った。差し出された小さなランプも手にすると、手の甲に唇を落とす。振り返り、木片のぶら下がったカギの一つを、にこりと笑ってショコラに手渡した。
「あとで部屋に遊びに行くよ」
「あなた、全体的に胡散臭いですね」
 そんなスピラーリの様子に、ショコラがごく真剣な顔で感想をもらす。フェーヴは思わず肩を震わせた。胡散臭い、という言葉ほどスピラーリに合致するものはないだろう。
「へ、部屋は二階になります。ええと、隣にいますので、もしなにかあったら呼んでくださいね」
 これほど迷惑な客にもかかわらず、娘は柔らかい笑顔でそういった。カウンターを出てランプを持つと、じゃあ、と頭を下げる。
 しかし、彼女が手をかけるよりもわずかに早く、戸は引き開けられた。
「お父さん? どうしたの?」
 向こう側には、数人の男たちがいた。どうやら宿の主人たちらしい。気にならないわけでもなかったが、自分には関係のないことだ。フェーヴは階段を上り始め、ショコラとスピラーリも後に続く。
「ちょっと待て。下りてきてもらおうか」
 しかし、鋭い声に呼び止められた。ものいいがショコラのそれに似ているような気がして、フェーヴは嫌な予感に眉根を寄せる。まるで正義を振りかざすような、凛とした口調だ。
「わたしたちのことですか?」
 ショコラはごく単純に、不思議そうな顔をして、おとなしく下りていった。スピラーリはちらりとフェーヴを見て、それからショコラに続く。結局、両手をポケットにつっこんだままで、フェーヴもゆっくりとそれに従った。
「あの……なあに? ガネルさんたちも。なにかあったんですか?」
 問いを投げたのは、宿の娘だ。怯えるような声。それもうなずけるほどに、宿を訪れた面々は一様に穏やかではない顔をしていた。
「下がっていなさい」
 ガネル、と呼ばれた男性が、いちばん前に出た。まとっている雰囲気が、ほかの男たちとは異なっている。この村の権力者なのだろうか。宿の主人は、慌てて娘の腕を引き寄せると、かばうように背後に導いた。
 よく見ると、彼らはそれぞれ武器のようなものを手にしていた。手製の槍や、短剣の類だ。ぎらぎらと燃えるような目で、フェーヴたちを見ている。
 すぐに、フェーヴは思い当たった。こういう状況は、初めてではなかった。
「一晩宿を借りたら、早朝には出て行く。なにか問題が?」
 できるだけ感情のない声で、そう口にする。ガネルはフェーヴを睨みつけたままで、重々しくうなずいた。
「すぐに出て行ってもらおう。お嬢さんと、背の高い彼はいい。だが、おまえはだめだ」
「ちょ……っ、どういうことですか!」
 噛みつかんばかりの勢いで、ショコラが声をあげる。それを制すると、フェーヴはため息を吐き出した。
「わかった、出て行こう」
 両手を挙げ、敵意がないことを示す。そのまま出口に向かった。ガネルの隣をとおり過ぎると、男たちは急に怯えたように場所を空ける。内心で苦笑しながら、ちらりと彼らに目をやった。恐ろしいものを見るような目が、フェーヴに向けられている。
 しかし、コートの裾をつかまれ、力ずくで引き戻された。ショコラだ。見た目からは想像できないほどの怪力で、そのまま後方に押しやられた。思わず尻餅をつきそうになりながら、フェーヴはなんとか堪える。一瞬、なにが起こったのかわからない。
 見上げる先では、ショコラが眉をつり上げていた。
「おい、どういう──」
「どういうつもりですか! 断固納得いきません! わたしたちは、ただ宿を借りたいだけです! なんですか、ひとを犯罪者みたいに!」
 両手を腰にあて、憤然と声を荒らげる。フェーヴは目を見開き、あまりの衝撃に声も出ない。
 どういうつもり、などという問いが飛び出すとは思わなかった。彼女も、知っているのではなかったか。
「お嬢さんも、その少年と長い付き合いというわけではないだろう。生きているのがその証拠だ。すぐに離れなさい」
 低い、静かな声音で、ガネルがいった。お父さん、と娘が囁く声が聞こえる。しかし、抱きかかえるようにして父親に制され、ガネルの他に口を開くものはいなくなる。
「ふむ」
 腕を組んで傍観していたスピラーリが、おもしろがるような声をあげた。
「それでは納得できないね。なにも知らない僕やショコラ君に、説明ぐらいはしてくれてもいいんじゃないかな?」
「……おい」
 なにを企んでいるのか、そんなことをいい出す。フェーヴは睨みつけたが、まるで気づいてすらいないように、スピラーリはガネルたちを眺めていた。口元は笑っているのに、ひどく冷たい目だ。
 ガネルは瞳を伏せると、長く息を吐き出した。いいだろう、と重々しく承諾する。
「アンファン、という存在を、聞いたことがあるだろう。女神クレアトゥールに愛された子──古くから伝えられる存在だ」
 その言葉に、ショコラが反応した。しかし、すぐに剣呑な目つきになる。
「それがなんですか。わかるように説明してください」
 ガネルはゆっくりとうなずくと、嘲るような笑みを見せた。
「平和なことだ。なにも知らずに少年とともにいたのか? アンファンは伝説ではない、実在する。青い髪に青い瞳──人間ではあり得ない色を持つものこそが、アンファンだ。少年、帽子で隠しているが、君の髪は青いだろう。瞳もだ」
 否定する意味などなく、フェーヴは黙って目を細める。いいたいことならじゅうぶんにわかっていた。なぜわざわざ、聞かされないといけないのか。
 目をやると、ガネルのうしろで小さくなっている若い男がいた。店で見かけた人物だと思い出す。では、彼が気づいて知らせたのだろうか。
「だから!」
 音を立てて床を踏みならすと、ショコラは彼らを睨みつけた。
「それがなんですか! そんな伝説知ってます! 仮に、彼がもし本当にそうだとして、それがなんだっていうんですか!」
「アンファンは、人間の命を吸うのだ」
 勝ち誇ったような声で、ガネルがいった。ショコラが顔色を変える。しかしそれは一瞬のことで、みるみるうちに怒りの色を取り戻していった。
「それが……!」
「でもそれはおとぎ話でしょう。伝説ではないという、根拠はなにかな」
 ひとりだけ悠然と、まるで周囲を流れる空気など関係ないとばかりに、スピラーリは楽しむような声を出した。ばかにするように肩をすくめ、彼らを眺める。
 しかし、ガネルは引き下がらなかった。
「都会の人間や若いものは、そうやって先人が残した語りをないがしろにする。いまでは伝えられる真実もずいぶん歪んでしまった。愛するものの願いを叶えるアンファン──その代償は、命だ。アンファンに魅入られれば、命を吸われてしまうのだ。それがたとえ事実ではなくても、関係ない。事実かも知れない、ということが重要なのだ」
「あなたたちは、バカですか!」
 ガネルがいい終わらないうちに、ショコラが吠えた。
 そのあまりの剣幕に、ガネルたちは気圧されたようだった。だれもが動きを止める。
 ショコラは身体全体を振るわせて、興奮のあまりほとんど泣きそうな目で、彼らを睨みつけた。
「それがぜんぶ事実だとしても、アンファンはなにも、悪くありません! それで──そんなことで、ひとひとり、追い出すんですか! バカです! 話になりません! 不快です、不愉快です、断固頭に来ました!」
 ものすごい勢いで言葉を投げつける。フェーヴは未知のなにかに出会ってしまったような気分だった。知らず、笑みが漏れる。彼女のこの真っ直ぐさは、なんなのだろう。
「なるほどね。とても興味深い話だった。礼をいうよ」
 上辺だけは柔らかい声で、スピラーリがいった。しかし、そこには冷ややかさが多分に含まれていた。
「ショコラ君のいうとおりだ。話にならない。──そもそも、君たちには、自分が魅入られる自信でもあるのかな? 君たちを愛する愚かものの顔が見てみたいね」
 嘲笑する。刺すような視線に、ガネルたちはひるんだ。薄く笑って、スピラーリは足を踏み出す。武器を持つ面々がにわかに殺気立つが、それを一瞥で黙らせた。ガネルの目前まで歩み寄り、彼の顎に手をあてる。
「アンファンに魅入られずとも、こうして行きずりのだれかに命を奪われるかもしれない。そんなあたりまえのことに、気づかないわけでもないだろうに」
「──スピラーリ!」
 フェーヴは飛び出すと、スピラーリの手をつかんだ。彼ならやりかねないということを、だれよりもよく知っていた。
 スピラーリは心外そうな顔で、まじまじとフェーヴを見る。ばかだね、と笑った。
「なぜ庇う。こんなやつらに生きている価値はないじゃないか」
「そうじゃない、そうじゃないんだ。やめてくれ、スピラーリ。……頼む」
 スピラーリはおとなしく手を離した。その代わり、フェーヴの手をつかむと、きびすを返す。もう片方の手で、呆然としているショコラの手を引いた。
「なんにしても、ここに長居する理由はないね。──さようなら、愚かなエートルたち」
 最後にもう一度笑って、握っている両の手をゆっくりと掲げる。
 周囲が、淡い光に包まれた。
 光の粒が押し寄せてくる。フェーヴは、周りだけではなく、自らが光り輝いているのを見た。否、輝いているのではない。光そのものへと変化しているのだ。
「飛ぶよ」
 囁く声と、閃光。あまりの眩しさに目を閉じる。
 衝撃は、なかった。
 まぶたの裏が暗闇を取り戻し、目を開けたときには、雨の街に立っていた。





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