阿蒼瀬名さまにいただきました。






キャサ母 「もっと、もっと綺麗に! ツイ〜、フッ、なにこの窓枠! まだ埃がついてるじゃないの!」

ジョニ姉 「ヒュイ、ヒュイイー! ヒュイィ、ヒュイー!」

マイ姉  「ヒュイーイッイッイッイッ、ヒュヒュイー!」

エリデレラ「も、もうしわけありません、オカアサマ、オネエサマ1、2!」

キャサ母 「まったくもう、使えないわね。わたしたちはシャル殿下のパーティに行ってくるから、その間に隅々までピカピカにしておきなさい。あとこの菓子の失敗作、責任もって全部食べるのよ! いいわね!?」

ジョニ姉 「ヒュイー!」

マイ姉  「ヒュイー!」

エリデレラ「うう、わかりました……!」



バタンッ



エリデレラ「……ふう、やっと行ったわ……。いまのうちにゆっくりしましょ。シャル殿下ってあのバカ殿下でしょ、タダで食べ放題っていっても、よく行く気になるわね。気が知れないわ。は〜まったり、まったり。おいしいじゃない、このアップルパイ」

バレンター「やあお嬢さん。世はバレンタインだというのに、なんてかわいそうなことだ。このバレンターに任せなさい! とう!」

エリデレラ「え? だれ? な…………」



しゃららら〜〜



エリデレラ「ドレス! なにこれ、なんなんですか、あなた」

ケイティ 「案ずることはありません、さあ、馬車にお乗りなちゃい!!」

エリデレラ「え、ちょ……っっ」



パカラッパカラッ



エリデレラ「き、来ちゃったわ、パーティ……。まあせっかくだから、食べるものだけ食べて……」

シャル殿下「おやおや、これは美しいお嬢さん。どうか私と一曲、踊っていただけないかな」

エリデレラ「いいです、忙しいんで」

シャル殿下「なんと、君が持っているのは、何かな? アップルパイ? 庶民の菓子など初めてだ! 一つ、いただけないかな」

エリデレラ「あ、持って来ちゃったのね……どうぞどうぞ、いくらでも」

シャル殿下「もぐもぐ。……──!!! この味! なんと絶妙な!! これほどの衝撃は初めてだ! お嬢さん、ぜひ私と踊ろうじゃないか!」

エリデレラ「ちょ、ヤダって……」



ターランタタッタ〜♪

ラッタラッタラーン♪



シャル殿下「いやあ、今日はなんと素敵な日だろう! 楽しいじゃないか! はっはっは!」

エリデレラ「なんなの……噂通りのバカ殿下め……! あっと、もうこんな時間!? ちょっと、料理だって残ってないじゃないの! んもう、早く帰んないと、ドラマが始まっちゃうわ!」

シャル殿下「どこに行くんだね、お嬢さん! ま、待ちたまえ! せめて、あの庶民菓子のレシピを──!!」





後日



シャル殿下「いやあ、捜してしまったよ、衝撃アップルパイのお嬢さん。ともあれ、一応確認はせねばなるまい。さあ、この靴を履いてみてくれたまえ」

エリデレラ「……まさか、ここまで来るなんて……どうしよう、この靴を履いてぴったりだったりしたら、連れて行かれるのよね……このバカ殿下と一生一緒にいるのは勘弁して欲しいわ……ああ、でも食べ放題……玉の輿……食べ放題……でもバカ殿下……ああ……!!」




***




キャラクター性をがっちり表したイラスト、さすがの長いつきあいです><
シンデレラをモチーフに、というのがまたおもしろい。
こうなると、いろんなの見たくなっちゃいます><